どの診療科目を専門にして働いてきたいかが興味からはっきりと決まっている看護師は、就職先や転職先を決める前にもう一つ決断した方が良い点があります。
同じ診療科目でも、病院かクリニックかによって仕事の内容が大きく異なるからです。一般的によく知られていることとして、病院には病床があるので、24時間体制の看護を行う必要があり、不規則な時間帯で働かなければならなくなる傾向があります。それに比べると、クリニックでは診療を行う曜日も時間帯も決まっていて、規則的に働けるという点です。
しかし、仕事内容についても病院とクリニックでは違いが生じます。基本として患者はまずクリニックに向かい、紹介を受けて病院に行くという手はずを取ることになっているのは念頭に置いておきましょう。結果として、同じ診療科目であっても、病院では深刻な病態の患者の対応をすることになりやすく、経過を観察しながら長い付き合いをしていくことが多くなります。
一方、クリニックでは、大半の患者は一回から数回の診療で治療を終えることになり、軽い症状の多数の患者に対応していくことが求められるのです。場合によっては、通いの患者と長く付き合っていくこともありますが、それは診療科目次第になるでしょう。
全体的な傾向として見ると、病態の深刻さに大きな違いがあり、それに応じて付き合いの長さにも違いが生じやすいのです。どちらが自分に合っているかを判断して、病院かクリニックかを選びましょう。